文明共栄圏の到来

終わった世界秩序と、人類が目指す未来

終わった世界秩序と、人類が目指す未来

私たちの現在地と、これから話すこと

今日は、既に「終わった世界秩序」と、今まさに「進行している世界秩序」について、そして私たちの世界が真に豊かな未来を築けるのか、という壮大なテーマでお話しします。

社会の関心事には「階層」がある

私がこれからお話しする内容は、日本ではあまり語られることのない、少し高い視点の話かもしれません。社会にある様々な関心事をピラミッドで表すと、このようになります。

  • 哲学・思想
  • 私が話すレベル(政治・科学・世界の本質)
  • 日常の知恵・教養(食事、子育てなど)
  • 下世話な話(お笑い、犯罪、スキャンダル)

なぜ「上のレベル」の話が必要なのか?

人間は、一番下の階層にある、気楽で下世話な話に引き寄せられがちです。それ自体が悪いわけではありませんが、社会全体がそちらにばかり偏ると、国は確実に衰退します。読み書きそろばんもできない、世界にどんな国があるかも知らない、という状態では国の未来はありません。

私自身が人生で一定の成功を収められたのは、常に中間レベル以上の視点を持ち、それを知って使おうと努めてきたからです。自分の立ち位置を少し上に引き上げておく意識が、結果的に人間関係や仕事をうまく導いてくれました。皆さまにも、ぜひそうした気持ちで今日の話を聞いていただきたいと思います。

歴史の大転換(1) 500年続いた植民地時代の終焉

科学の進歩と、社会の停滞

科学は常に前向きです。400年の近代科学が1990年に一つの区切りを迎え、ITの時代、そしてこれからは量子科学の時代へと進んでいきます。しかし、戦争や犯罪が絶えない「社会」というものは、必ずしも前に向かって進むわけではありません。古代ギリシャの哲学や国家観と比べて、現代はむしろ落ちているのではないか、という説もあるほどです。

日本の戦争が果たした歴史的意義

しかし今、歴史に非常に大きな流れが起きています。それは、500年間にわたった植民地時代(白人が有色人種を圧迫した時代)の終わりです。この大転換において、日本の戦争は計り知れない功績を残しました。「第二次世界大戦」と一括りにするのは誤解を招きます。ドイツが起こした白人同士の領域戦争と、日本が戦った戦争は全く性質が異なるのです。

アジアにおける戦争は、紛れもなく日本(有色人種)と白人との間の戦争でした。日本は形の上では負けましたが、その戦いによって欧米列強はアジアから手を引かざるを得なくなり、アジア諸国は独立への道を歩み始めました。

1945年

日本の戦争終結。これを機に、白人支配からの脱却が始まる。

1950年代

日本がイギリスやオランダを打ち破ったことで、インド、インドネシアなどアジアの主要国が次々と独立。

1960年代

「アフリカの10年」。アフリカ諸国も独立の波に乗り、次々と独立を果たす。

1920年頃の世界地図は、日本やタイなどを除き、ほとんどが白人国家の植民地でした。しかし現在、200もの国が独立して存在しています。これは、日本人が命を懸けて戦ったおかげなのです。

歴史の大転換(2) ジャパン・アズ・ナンバーワンとBRICSの台頭

1990年・歴史の逆転現象

そして戦後50年近くが経った1990年、500年の時代が完全に終わる象徴的な出来事が起こります。それが「ジャパン・アズ・ナンバーワン」です。有色人種の国である日本が、国民一人当たりのGDPでアメリカを抜き、実質的に世界で一番になりました。これは単なる経済指標の話ではなく、歴史的な「逆転現象」でした。この年を境に、アメリカやヨーロッパは衰退の時代に入っていきます。

新たな主役、BRICSの台頭

それに代わり、今度はBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)にサウジアラビアなども加わった国々が、世界の新たな主役として台頭してきました。世界銀行やIMFといった古いドル基軸システムはまだ残っていますが、経済規模(GDP)では既にBRICSを中心とした国々が西洋を上回っており、世界のパワーバランスは大きく変化しているのです。

未来への分岐点:グローバリゼーションか、文明の時代か

植民地時代、そして米ソの対立時代が終わり、世界は今、新たな時代へ向かう分岐点に立っています。その未来像について、他人の批判をするのではなく、自分はどう考えるかというビジョンを語ることが重要です。

3つの未来予測

未来の姿については、大きく分けて3つの考え方があります。

  1. 対立の時代が続く:米中対立のように、国家や陣営の対立が継続する。
  2. グローバリゼーションが進む:国境の意味が薄れ、世界が一つに統合されていく。
  3. 文明の時代が来る:私が支持する考え方。世界に8つあると言われる特徴的な文明圏が、それぞれ独立して活動する。

なぜ「文明の時代」が来るのか

私が「文明の時代」を予測する根拠は、1990年に我々の物質的な豊かさが、あるレベルで満たされたからです。人々が十分に豊かになれば、対立すること自体が馬鹿らしくなります。それぞれの文明エリアが、互いに争うのではなく、その中で仲良く暮らしていく方が合理的だという結論に至るはずです。

一方でグローバリゼーションは、対立を煽り、文化や文明を均質化させ、一部の人間だけが儲かる、人類が不幸になる流れだと私は考えています。世界的な疫病とそれに伴う混乱、おかしな政治家による増税などは、せっかく幸福になれる時代が来たのに、それに気づかせないための動きと見ることができます。

結論:人類は「幸福な人生」に気づけるか

人類史上初の「幸福な時代」の条件

実は、もうすでに我々は、望めば世界中の人が幸福な人生を送れる状態にあります。これは人類が700万年に生まれて初めて訪れた、歴史的な大転換点なのです。あと20年もすれば、多くの人がその事実に気が付くと私は確信しています。

捨てるべき2つの「根性」

しかし、その幸福を誰もが手にするためには、人類が古くから持つ2つの厄介な「根性」を克服しなければなりません。

💰

1. 貧乏根性

どこまで豊かになっても「まだ足りない」と感じる心。現在の生活で満足するという意識が、この根性を打ち破ります。

🥊

2. 相手をやっつける快感

他人より上に立つこと、支配すること、いじめることに喜びを感じる心。この歪んだ快感を捨て、他人の不幸の上に自分の幸福を築かない社会を創る必要があります。

文明共栄圏への道

コロナ禍で全人類が苦しむ中、1日で資産を10億円に増やした富豪がいました。これはまさに「相手をやっつける快感」の表れです。他人を不幸にしてでも自分が得をしようという流れを断ち切ること。この2つの根性を捨て去った先に、自分も幸福になり、社会全体も幸福になる「文明共栄圏」が実現します。

私たちは、自分たちが幸福な人生になりたいと思えば、もうなれる時代に生きています。
その変化の先端に立ち、自分も社会も幸福になる未来を、共に築いていきましょう。

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